
被災者雇用開発助成金とは、東日本大震災による被災離職者および被災地域に居住する求職者の方々を、ハローワークなどの紹介によって継続して1年以上雇用(あるいは1年未満の有期契約を更新)する事業主に対して、支給する助成金のことを指します。
※雇用保険の一般被保険者として雇い入れる場合に限ります。
今回はこの「被災者雇用開発助成金」の詳細や、受給条件について紹介していきます。
対象労働者について
対象となる人の条件は、以下のとおりです。
1、被災により離職された方(A〜Cのいずれにも該当する方)
A 東日本大震災発生時に被災地域(※1)に就業していた方
B 震災後に離職し、その後安定した職業についたことのない方
C 震災により、離職を余儀なくされた方
※1 震災に際し、災害救助法が適用された市町村の地域(東京都を除く)
2、被災地域に居住する方。
震災により被災地域外に住所または居所を変更している方を含み、震災の発生後に被災地域に居住することになった方を除きます。
事業者に対する受給要件について
被災者雇用開発助成金を受給するためには、以下の要件をいずれも満たすことが必要になります。
1、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(※1)の紹介により、雇い入れること
2、平成23年以降、雇用保険一般保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用することが見込まれること
※1 具体的には次の機関が該当します。
A 公共職業安定所(ハローワーク)
B 地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
C 適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等
→特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、または、無料船員職業紹介事業者のうち、本助成金にかかる取り扱いを行うにあたって、厚生労働省職業安定局長の定める項目の、いずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出し、雇用関係給付金にかかる取り扱いを行う旨を示す標識の交付を受け、これを事業所内に掲げる職業紹介事業者などを指す。
支給額について
では、実際にどれくらいの支給額があるのかを確認していきます。
▶︎短時間労働者以外
- 支給額 60万円(50万円)
- 助成対象期間 1年(1年)
- 支給対象期ごとの支給額 30万円×2期(25万円×2期)
▶︎短時間労働者(※1)
- 支給額 40万円(30万円)
- 助成対象期間 1年(1年)
- 支給対象期ごとの支給額 20万円×2期(15万円×2期)
()内は、中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間。
※1 短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者のこと。
注意点
1、支給対象期ごとの支給額は、支給対象期中について対象労働者に対して支払った賃金額を上限とする。
2、雇入れ事業主が、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に助成金1/3(中小企業事業主以外は1/4)を乗じた金額となる。
上記の支給に加え、この助成金の対象者を10人以上雇用し、1年以上継続して雇用した場合は、1事業主につき 1回、助成金の上乗せとして60万円(中小企業事業主以外は50万円)が助成されます。
参照:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_hisai.html
まとめ
東日本大震災の被害をきっかけに、職業を失ってしまった人は多くいらっしゃいます。
人手不足で悩んでいる事業主の方や、社員を増やしたいが人件費にあまり余裕のない事業主の方は、このような助成金を活用することを考えてみてはいかがでしょうか。
また、この助成金を活用して雇用を進めることは、被災者の方あるいは被災地をサポートするきっかけにもなります。
社会貢献にも繋がる、被災者雇用開発助成金の活用を、ぜひ前向きに検討してみてください。