【令和3年度版】開業時に活用できる助成金・補助金・奨励金・融資について

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福祉事業の開業を検討した時に大きな障壁となるのが「開業資金」についてです。

この開業資金を捻出する資金調達が上手くいかなければ、仮に開業できたとしても軌道に乗るまでに時間がかかりますし、質の良いサービスを継続しづらくなるなどの問題につながります。

しかし、逆の見方をすると開業時に十分な資金が確保できていると安心して事業に専念できますので、この資金調達が開業当初から十分に確保できるかどうかは大きな分かれ道となります。

この開業資金については自己資金だけではなく、金融機関からの融資や国や地方自治体からの助成金や補助金の認可を受けて獲得する方法があります。

ここでは、令和3年度版の開業時に活用できる助成金・補助金・奨励金・融資についてご紹介致します。

助成金とは?その種類について。

助成金とは金融機関等から受ける融資とは違って国や地方自治体から支給される返済の必要のない資金のことを指します。

特定の要件を満たせば審査もなく受けられますので自己資金だけでは捻出が困難な方は積極的に制度を活用することで資金調達も有利に運べます。

ここでは福祉事業向けの助成金についてご紹介します。

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、従業員の定着率向上や離職率低下を目的とした職場環境の改善や管理制度の整備を企業が行うことで受給することができる助成金を指します。

助成金が得られる改善策の具体例としては以下のとおりです。

・雇用管理制度の導入・・・評価や処遇制度、研修制度、メンター制度などを導入すること

 で、雇用管理を改善し、離職率低下に取り組むこと。

・人事評価制度や賃金制度の整備・・・離職率低下はもちろん、生産性の向上や賃金アップ を行うこと。

・介護福祉機器の導入・・・介護事業主が介護福祉機器を導入することにより、従業員の離 職率低下に取り組むこと。

・雇用管理改善・・・生産性の向上を目的とした設備を導入することによって、賃金アップ や生産性の向上を実現すること。

人材確保等支援助成金には様々なコースがありますので、下記ページにコース内容や要件、受給額について詳しく記載しております。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金とは、障がい者や高年齢者、シングルマザーなど就職が困難とされる人たちの労働市場を広げる目的で作られた制度で、一定の要件を満たすと助成金を受けることができます。

主な要件は次のとおりです。

1.ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること。

2.紹介された人材を雇用保険の高年齢被保険者として雇い入れ、65歳以上に達するまで継続(助成金該当期間において2年間の雇用契約を確定)雇用することが確実であると認められること。

3.1週間の所定労働時間が20時間以上の労働として雇い入れられること。

その他特定求職者雇用開発助成金に関しての詳しい内容はこちら

被災者雇用開発助成金

被災者雇用開発助成金は、平成23年以降に東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を、ハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る。)に対して助成金が支給されます。

また、この助成金の対象者を10人以上雇い入れて1年以上継続して雇用した場合は、助成金の上乗せも行われます。

主な要件は次のとおりです。

(1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること

(2)平成23年5月2日以降、雇用保険一般被保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用することが見込まれること

他にも雇用関係助成金共通の要件などいくつかの支給要件がありますので、詳しくはこちらのサイトでご確認いただけます。

厚生労働省:特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_hisai.html

助成金と補助金の違いと、その種類について。

補助金は助成金と同様に国や地方自治体から支給される返済の必要がない資金ですが、要件を満たせば原則支給される助成金と違って、申請したからといって必ず支給されるものではなく、採択件数や上限が予め決まっているものも多くあります。

主な補助金については次の内容があります。

地域創造的起業補助金

地域創造的起業補助金(旧称:創業補助金)とは創業時に必要な経費を一部国や地方自治体が補助してくれる制度で、新たな需要や雇用の創出を促して経済活性化を目的とした補助金です。

助成金と同様、返済不要で創業前の起業でも申請が可能ですが、助成金と異なる点としては必ず採択されるとも限らないことと、原則後払いになることに注意しましょう。

主な要件は以下のとおりです。

1.募集開始日(平成30年4月27日)以降に創業する者で、補助事業期間完了日までに個人開業または会社・企業組合・協業組合・特定非営利活動法人の設立を行い、その代表となるもの。

2.事業実施完了日までに、計画した補助事業を行うために、新たに従業員を1名以上雇い入れる者。

3.産業競争力強化法における認定市町村における創業であること。また、認定市町村または認定創業支援事業者から特定創業支援事業を受ける者。

地域創造的起業補助金の補助対象となる経費や申請手順等についての詳しい内容についてはこちらを参考にしていただけます。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業等が業務フローの改善と効率化のために、日々の業務を効率化させるITツールや情報を一元管理するクラウドシステムなどを導入し、「ITの利活用を設定し生産性の向上に資する。」と考えられる中小企業・小規模事業者に対して交付されます。

導入資金が高額になりやすいITの導入ですが、この補助金制度を活用することで導入費用を抑えることができます。

主な補助対象者は中小企業(飲食・宿泊・卸・小売・運輸・医療・介護・保育等のサービス業の他、製造業、建設業等)や医療法人、学校法人、その他法人等となります。

IT導入補助金の補助金額や申請類型、申請手順等についての詳しい内容についてはこちらを参考にしていただけます。

特定の事業等に適用される奨励金。

奨励金も助成金や補助金と同様に、国や地方自治体から支給される返済の必要のない資金です。特定の事業や研究の奨励などを目的として行われる金額的給付になります。

トライアル雇用奨励金

トライアル雇用奨励金とは技能や知識不足等が原因で安定的な就職が困難な求職者に対してハローワーク等の紹介により一定期間の試行雇用をした企業に対して支給されます。

雇用期間中に特に問題等なければそのまま雇用を延長したり引き続き従業員として雇うこともできます。

主な要件は次のとおりです。

・常用的な雇用を望んでおり、トライアル雇用について理解をして希望している方。

・以下のA~Cいずれかに該当している方

  A ハローワークや職業紹介を行う事業者から紹介を受け、雇用を行う。

  B 原則3ヶ月間のトライアル雇用を行う。

  C 1週間の労働時間が会社の他の労働者と同程度である。

トライアル雇用に関する奨励金の種類や受給条件、申請方法などについては、下記ページに詳しい内容が記載されていますので、ご参考にしていただけます。

高年齢者雇用開発特別奨励金

高年齢者雇用開発特別奨励金は、雇い入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワークやその他職業紹介事業者より1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る)に対して一定の金額が支給されます。

特別奨励金を受給するための要件は次のとおりです。

・ハローワーク等職業紹介事業者経由で対象となる従業員(65歳以上で雇用保険の資格喪 失を伴う離職日から3年を経過するまでに雇い入れられたものでその離職日から遡って1 年間に被保険者期間が6ヶ月以上あるもの)を採用すること

・対象従業員との間に雇用の内定がないこと

・採用前3年間に予定者を雇用していないこと

・雇用保険の一般被保険者として採用していること

・労働保険料を納めていること

・6ヶ月以内に解雇等をしていないこと

・高年齢者雇用確保措置を採用していること

その他高年齢者雇用開発特別奨励金に関する要件や受給金額、申請方法などについては、下記ページに詳しい内容が記載されていますので、ご参考にしていただけます。

金融機関による融資について。

融資は金融機関等から資金を借り入れた資金のことで、こちらは助成金や補助金と違って返済の義務があります。

個人向けの少額融資や事業向けの融資など様々な融資がありますが、ここでは福祉事業でよく使われる日本政策金融公庫についてご紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間金融機関の取り組みを補完し、事業に取り組む方々を支援する政策金融機関のことで、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で利用できる「新創業融資制度」を取り扱っています。

以下の要件に該当する方にご利用いただけます。

1.対象者の要件

 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方。

2.自己資金の要件

 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業 資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を確認できる方。

 ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとする。

返済期間や利率、その他注意事項等についてはこちらのサイトで詳しく記載されていますのでご確認下さい。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

福祉・介護事業者等を対象にしたソーシャルビジネス支援資金

ソーシャルビジネス支援資金(企業活力強化貸付)は、主に高齢者や傷がい者の介護・福祉・子育て支援など、地域や社会が抱える課題解決に取り組む事業者を対象とした融資制度です。

一般的に創業間もなく実績のない事業者が金融機関から融資を受けるのは容易ではありませんが、地域や社会への貢献度の高い介護・福祉事業者に対して比較的資金を借りやすい制度を設けてソーシャル・ビジネスを支援していますので、積極的に制度を活用しましょう。

主な概要は以下のとおりです。

1.対象者の要件

NPO法人またはNPO法人以外であって、保育サービス事業・介護サービス事業を営むもの、または社会的課題の解決を目的とする事業を営むもの。

2.融資限度額

担保あり 7,200万円(うち運転資金4,800万円)

担保なし 「新創業融資制度」を利用する方:3,000万円(うち運転資金1,500万円)

     担保を不要とする融資を利用する方:4,800万円

3.対象資金

事業を行うために必要な設備資金および運転資金

ご返済期間や各事業者ごとの利率など、詳しい内容に関してはこちらのサイトで詳しく記載されていますのでご確認下さい。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/socialbusiness.html

まとめ

ここでは、開業前に活用できる助成金・補助金・奨励金・融資について、各制度の内容や要件についてまとめてみました。

開業に必要な資金は収益が安定して得られるまでの期間も考慮して計画的に準備することが重要であり、福祉事業でも内容にもよりますが最低でも数百万円は予め用意しておくことが必要になってきます。

放課後等デイサービスや就労者支援のように国や地方自治体が支援に力を入れている分野は助成金や融資も認可されやすい傾向にありますし、自己資金だけでは困難な方でも制度を有効に活用することで資金調達しやすくなるなどメリットもたくさんあります。

特に助成金や補助金は融資と違って返済の必要がない資金ですので、要件等に問題なければ積極的に利用していただいて開業資金として捻出してもらえれば良いかと思います。

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