鍼灸・整骨院などの治療院経営者に、放課後等デイサービスへの参入を勧める理由

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現在、鍼灸・整骨院など治療院の経営者が、福祉事業の一つである放課後等デイサービスへの新規参入を検討されるケースが増えてきています。

本業とは別の収益の柱として参入される事業主はもちろん、経験がなくても福祉事業に興味関心をお持ちの経営者にも注目されています。

特に体の不自由な方のケアに慣れていらっしゃる鍼灸・整骨院の経営者の方に親和性が高い事業ですが、なぜ、鍼灸・整骨院の経営者が数ある福祉事業の中でも「放課後等デイサービス」の開業を勧めるのか気になるかと思います。

ここでは放課後等デイサービスが鍼灸・整骨院の経営者が開業するメリットや、開業に必要な資金について詳しく解説していきます。

そもそも放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスは、就学児向けの学童保育のようなもので、障がいをお持ちの就学児童(小中高)が学校の授業終了後や夏休みなどの長期休暇中に通う事ができる施設の事です。

ただ預かるだけでなく、障がい児の生活能力を向上させ将来的な自立を促す事を目的としており、生活習慣の指導や自立訓練、運動療育を行うなど、様々な角度から子どもたちをサポートしていきます。

また、児童だけでなく、日常介護に追われてなかなか働きに出られなかった保護者が働く時間を安心して確保できるようになど、社会貢献度が大変高いサービスとして注目されています。

参考:放課後等デイサービスとは

なぜ、鍼灸・整骨院の経営者で放課後等デイサービスへ参入される方が増えているのか。

街の至るところで見かけるあんま・マッサージ指圧、鍼灸・接骨院などの治療院ですが、厚生労働省の統計によりますと、2018年末時点で施術所の数が約14万765ヶ所と、過去10年間で約1.4倍に膨れ上がっており、現在ではコンビニの数の2倍以上の店舗数と言われています。

その一方で、2018年の倒産件数が過去10年で最多を記録するなど、保険診療の是正や競争激化による業績不振も目立つようになり、今後も新規参入と廃業が相次いで出入りが激しくなると予測されています。

設備投資も少なく開業しやすいといった利点がありますが、腕が良くても集客や固定客の確保や価格競争などの経営面で苦戦を強いられたり、労働集約型のビジネスモデルであるため、将来に不安を感じられている経営者も増えてきています。

鍼灸・整骨院の経営者が放課後等デイサービスへ参入される優位性やメリットは、実はたくさんある。

需要が高く安定した事業というだけでなく、社会貢献度も高い事で収益面でもやりがいの面でも新規参入先の事業として人気の高い放課後等デイサービス。

実は、鍼灸・整骨院の経営者と放課後等デイサービスの事業は大変親和性が高く、新規参入の優位性やメリットがたくさんあります。

1,運動療育のノウハウが揃っている。

成長期真っ盛りの子どもたちが集まる「放課後等デイサービス」では、運動療育は非常に重要なプログラムの一つとなります。

身体機能のサポートのプロである鍼灸・整骨院の経営者なら、子どもたちの発育や障がいのレベルに合わせて、適切な運動療育を提案することができます。

そのようなスキルやノウハウが備わった人が開業しているというだけでも、安心感や信頼感は強まりますし、保護者の方からおこさんの運動機能についての相談を受けたりアドバイスをする機会も増えてきます。

培ってきた経験やノウハウを活かしながら、運動療育を強みとして施設を開業できるというやりがいや魅力が放課後等デイサービスにはあります。

2,実務を担当者に任せられるので、身体的負担が少ない。

鍼灸・整骨院では、治療家としてお客様への施術を行うことがメイン業務です。身体が資本の業務であるため、時間の融通がききにくく、新規事業の立ち上げには一歩踏み出せないという経営者も少なくありません。

しかし、放課後等デイサービスの開業の場合、管理者が実務をする必要はありません。児童指導員などの有資格者がメインとなって実務に携わりますので、管理者は一歩引いた立場で運営ができるのです。

この業務形態によって、

  • 自身は治療院を運営しながら、放課後等デイサービスの実務は有資格者に任せられる。
  • 利用者に合わせた運動療育の考案に重きを置いて業務ができる。

このように融通のきく経営方法が可能であることもメリットとして考えられます。

3,成長マーケットで需要が高い

2019年の厚生労働省の調査によると、放課後等デイサービスの利用者数は前年比で約114%増、2012年と比較すると約430%増というデータが上がっています。

日本における障がい者数も年々増加しています。その要因としては、現代における環境要因が障がいを引き起こしていること、障がいに対する認識が広まったことで、診察を受ける子どもが増加したということなどが、要因の一部として考えられています。

しかし、まだまだそういった障がい児が安心して過ごせる施設の提供ができておらず、待機状態にあるケースが多数報告されています。今の日本には、障がい者に対する手厚いサポート体制が必要なのです。

よって、放課後等デイサービスの開業は、非常に需要が高く、地域社会への貢献だけでなく、事業としても安定した運営が見込めます。

参考:なぜ、障がい者人口は年々増加しているのか

4,長期間のサポートを行え、安定した収益を確保できる。

鍼灸・整骨院では、基本的にお客さんの症状が改善すれば施術は終了となり、常に新規顧客を獲得することに意識を向けたり、予約を埋めることに必死になってしまいがちです。

一方、放課後等デイサービスでは、6〜18歳の就学児を対象としているため、最大で12年間のサポートを行えます。一人あたりのサポート期間が長い施設であることから、継続して利用してもらえている限り、常に安定した収益は得ることができるのがポイントです。

また、一般的な商品やサービスと比較すると流行り廃れがなく、不況や災害にも強く安定しているという点も魅力です。

放課後等デイサービスの開業に必要な資金について

放課後等デイサービスの開業に必要な資金としては、一体いくらぐらい準備しておく必要があるのでしょうか。

開設するエリアや施設の大きさ、内装であったり設備によって変動しますし、各地域によって物価の違いがありますので一概には言えませんが、初期費用としては約800万円以上を見込んでおく必要があります。

また、初期費用だけでなく職員の方の人件費や施設の諸経費などの運転資金を最低でも約2ヶ月分は事前に確保しておく必要もあり、こちらもおよその概算にはなりますが、約700万円程度用意しておく必要があります。

つまり、初期費用と運転資金の両方を合わせて開設に必要な資金として、およそ1,500万円はかかるものと考えておきましょう。

自己資金だけでは厳しい場合は融資制度を活用できる。

自己資金だけでは開業資金を調達できない場合に活用できるのが、融資制度です。

融資制度は、主に銀行などの金融機関が法人や個人に必要資金を貸し出す事で、放課後等デイサービスや児童発達支援事業などの福祉事業を新規開設する際にのみ活用できるものもありますので、積極的に相談してみるとよいでしょう。

下記に日本政策金融公庫の新創業融資制度の概要について紹介します。

ご利用いただける方次のすべての要件に該当する方対象者の要件を満たすもの自己資金の要件を満たすもの
資金のお使いみち新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額3,000万円(うち運転資金1,500万円)
ご返済期間各融資制度に定めるご返済期間以内
利率(年)日本政策金融公庫HP参照
担保・保証人原則不要※原則、無担保無保証人の融資制度であり、代表者個人には責任が及ばないものとなっております。法人のお客さまがご希望される場合は、代表者(注4)が連帯保証人となることも可能です。その場合は利率が0.1%低減されます。

融資制度の一つの目安として参考にしていただき、詳細については下記HPでご確認下さい。

*参照元:日本政策金融公庫HP

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

まとめ

鍼灸・整骨院などの治療院がもつノウハウを強みにして開業できる放課後等デイサービス。

地域密着型の福祉事業ですので、治療院の近くでの開業も可能で管理がしやすいのもメリットの一つです。

放課後等デイサービスは社会貢献度も高く、6歳〜18歳と長期間にわたって子どもの発達支援に携わることができます。

鍼灸・整骨院では、何年にもわたって継続的に通い続けてくれる顧客を維持することは大変ですが、放課後等デイサービスでは長期間にわたる発達支援をおこないますので、子供の成長に携われるなど新たなやりがいも得られるはずです。 

開業についてはオーナー自身が特別な資格を保有していなくてもできることですので、有資格者を雇う必要はありますが、必要な人員の確保と基本的な知識を備えることができれば、比較的早く開業に至ることができるのもポイントです。

開業資金に関しては、初期費用と運転資金を合わせて1,500万円ほどは開設前までに準備しておく必要があり、自己資金だけでは賄えきれない方でも融資制度を上手く活用する事で自己負担を大きく抑える事も可能になります。

地域に根差し、子どもたちの自立を身近で見守り、サポートできる放課後等デイサービス。

地域貢献や福祉に興味がある治療院の経営者にぜひおすすめしたい事業です。

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