令和3年度 障害福祉サービス等報酬改定の中身を徹底解剖

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先日、厚生労働省より「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性」が発表されました。(参照:https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000704861.pdf

放課後等デイサービスをすでに運営されている方はもちろん、これから運営を考えている方にとっても、この改定内容は、施設を運営するにあたって非常に重要な指標となります。

この記事では、今回の改定内容のポイントを整理しながら解説していきます!

今回の改定にあたって注目すべき6つのポイント

今回の報酬改定における主要事項としては、6つ挙げられています。

1. 障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等

2. 効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応

3. 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進

4. 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進

5. 感染症や災害への対応力の強化等

6. 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

これらの項目に関して、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等

この項目については、障害者の重度化や高齢化に対応した共同生活援助を実現するために、現在の報酬体系を見直し、質の高い支援をより高く評価していくという内容になります。

例えば、障害者自身が一人暮らしを余儀なくされた場合でも、一人暮らしをその地域で継続できるような自立生活援助の整備を促進したり、そのための地域生活支援拠点を充実させることが重要視されています。

また、それに併せて相談支援を担う人材育成についても力を入れていくことも明記されています。

具体的に見直される内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・共同生活援助における重度化。高齢化に対応して行くための報酬の見直し

・自立生活援助の整備を促進するための報酬・人員基準等の見直し

・地域生活支援拠点等の機能の充実を図るための見直し

・生活介護等における重度障害者への支援の評価の見直し

・質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し

地域社会が一丸となって重度障害者や高齢の障害者の支援を強化していく必要があるため、そのためのサービスを充実させている施設は報酬が以前より高くなることが推測されます。

2. 効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応

この項目については、障害者の能力や適性、希望に応じた就労支援を行うためにニーズの把握とサービスの拡充を図っていくという内容になります。

この改定によって、短期入所を要する障害者の受け入れ態勢を強化したり、施設入所支援や訪問系サービスでの利用者に対するきめ細やかな対応などが評価されるようになります。

改定内容の詳細

具体的に見直される内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・効果的な就労支援に向けた報酬・基準等の見直し

・在宅生活の継続や家族のレスパイト等のニーズに対応した短期入所の受け入れ体制の強化

・施設入所支援における口腔衛生管理、摂食・嚥下機能の支援に係る評価

・訪問系サービスにおける利用者のニーズへのきめ細やかな対応

障害者一人ひとりの状態にあわせて、どれだけ適切な対応ができるか、サービスの質を向上させていくことが求められるようになるでしょう。

3. 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進

医療ケアが必要な障害児に対する支援の強化を図ることが示されているのがこの項目です。

特に放課後等デイサービスなどでは、共通的な基本報酬を土台として、ケアニーズの高い障害児の支援や専門職による支援で報酬体系を見直したり、支援の質を向上させるために従業者の用件を見直す必要が出てきます。

改定内容の詳細

具体的に見直しされる内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・医療的ケアが必要な障害児への支援

・放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し

・児童発達支援の報酬等の見直し

・障害児入所施設における報酬・人員基準等の見直し

医療ケアが必要な障害児に対して提供するサービス自体を見直すことはもちろん、サービスの質を高めるために必要な人材の配置にも力を入れることが求められることが予測されます。

4. 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進 

身体的な障害だけでなく、精神障害者に対する支援も手厚くする動きがあります。

精神障害者等が地域社会の一員として安心した暮らしを実現できるように、障害福祉サービス等報酬を見直し、地域包括ケアシステムの構築に必要な取り組みが評価されるようになることを示しているのがこの項目です。

改定内容の詳細

具体的に見直しされる内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・夜間の緊急対応や電話対応の評価

・地域生活支援拠点等の機能の充実を図るための見直し

・地域移行実績の更なる評価

・可能な限り早期の地域移行支援の評価

・医療と福祉の連携の促進

・居住支援協議会や居住支援法人と福祉の連携の促進

・ピアサポートの専門性の評価

精神障害者を支援するための地域包括ケアシステムを整え、地域社会として福祉のサービスを手厚くすることが求められていると捉えることができます。

5.感染症や災害への対応力の強化等

昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、感染症や災害発生時での支援の対応力が求められるようになりました。

支援の継続を見据え、就労系サービスにおける在宅でのサービス利用や、報酬上の加算の算定に必要となる定期的な会議の開催時のICTの活用なども、平時においても可能な取り扱いとなることが示されています。

改定内容の詳細

具体的に見直しされる内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・日頃からの備えや業務継続に向けた取り組みを推進するための運営基準の見直し

・支援の継続を見据えた運営基準や加算算定の要件の緩和

新型コロナウイルス感染症の流行によって、施設の運営が困難になるケースも多く発生しています。今後は、有事の際でも施設運営を継続させることができるかという部分も重要視されるようになることが考えられます。

6. 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

現在、障害福祉サービス等の事業所数と利用者数は、サービス内容によって増加傾向がみられるものも多く存在します。

状況が常に変化し続ける中で、サービス提供を持続可能なものにするために、施設や事業所の実態等を踏まえた上で、報酬・基準等の見直しが行われるようになります。


さらに、現場での人材確保やICTの活用による業務効率化を図るための報酬や基準の見直しも必要とされます。

改定内容の詳細

具体的に見直しされる内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・制度の持続可能性を確保しつつ、適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

・障害福祉現場の人材確保や業務効率化

・その他経過措置の取り扱い等

障害福祉に関するサービスを単に提供するだけではなく、持続可能なものにするために必要な人材配置や業務効率化を図り、運営を進めていくことが事業管理者としては必要不可欠になってきます。

放課後等デイサービスとして意識すべきポイント

以上の項目が、今回の改定で注意すべきポイントでした。

なかでも放課後等デイサービスを運営する立場として意識すべき部分は以下2つです。

01 サービスの質が高い事業所を評価する加算体制

重度の障害者に対する臨機応変なサポート体制はもちろんのこと、そのサポートをいかに継続できるものにするか、提供するサービスの質の向上にも注力していくことが必要です。

02 基本報酬の見直し

平成30年度の放課後等デイサービスの収益が、障害福祉サービス全体の平均収益よりも大きく上回るような部分についても、ほぼ間違いなく調整が入るといわれています。

例えば

・区分制度の見直し(重症心身障害など)

・報酬単価の見直し

・人員基準の厳格化(保育士・児童指導員縛り)

といった項目です。

今までは「障害福祉サービス経験者」という実務経験に基づいた要件がありましたが、これが今回の改定で廃止という方向になりそうです。

つまり、これから人員基準で加算をあげるなら「保育士加算」がより重要になってきます。


これからの放課後等デイサービス運営には、保育士さんの確保と募集要件には必須で入れるように動いていきましょう。

時代の流れに合わせたサービスの提供と施設運営を

今回は令和3年度の改定内容について、ポイントとなる6点を中心に解説していきました。

このような改定は今回だけで留まるものではなく、社会情勢の変化に合わせて定期的に行われます。

施設を運営される皆さんは常に改定内容にアンテナを張り、社会の変化に臨機応変に対応できる施設をぜひ作り上げていってください。

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